写真は犬の子宮蓄膿症の症例において手術・摘出した卵巣腫瘍と蓄膿した子宮
犬の子宮蓄膿症・卵巣腫瘍【大阪府堺市の動物病院】
多くの犬・猫は避妊手術を実施するため、他部位にできる腫瘍よりも卵巣にできる腫瘍は発生率が低い。
健康診断時に偶然卵巣腫瘍が発見されることも多い。
この症例では外陰部からの持続的な出血・排膿があり、明らかに子宮蓄膿症を疑われる状態で来院した。
実際、飼い主さんも子宮蓄膿症の可能性については口にしており、高齢(16歳)での手術はどうなのかということを気にしていた。
全身的なスクリーニング検査を実施し、手術にあたってリスクとなる大きな異常は発見されず、全身状態も悪くはなかったので、食欲も落ちていたことを考慮して緊急手術を実施した。
開腹すると明らかに拡張した子宮が目に入る。
教科書的に手術を進めていくと左の卵巣の位置に大きな腫瘤を発見する。
最初腎臓の腫瘍かと思ったほど巨大化した歪な卵巣腫瘍であった。
この症例のように子宮蓄膿症の手術に伴って偶然卵巣腫瘍が発見される場合も多いと思われる。
卵巣腫瘍は悪性であっても積極的治療(摘出手術・手術後の抗がん剤投与)によって治療に反応が見られる場合が多い。
子宮蓄膿症においては高齢だからと治療を放棄するのではなく、手術を含めて主治医とよく相談の上治療方針を決定することが大事だと思われる。
また、早期の避妊手術によって予防できる病気も多いので、若齢での避妊手術は推薦されると思われる。
キキ動物病院
大阪府堺市中区深井北町117-3
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