うさぎ の食欲不振(食べない)と救急サイン:後編【大阪府堺市の動物病院】
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うさぎ専門治療の病院による、食欲不振についての解説【後編】です
こんにちは。大阪府堺市のうさぎの病院、キキ動物病院です。
前編、中編に引き続いて、うさぎさんの食欲不振と動物病院に連れて行くサインの関係についてです。
うさぎ さん食欲不振の原因 〜斜頸(しゃけい)
斜頸(しゃけい)の原因が、食欲を落としていることもよくあります。
斜頸とは首が傾いている状態のことです。そして、斜頸している状態は実は準緊急状態です。突然発作が起きたり、突然死したりすることがあるのです。
ウサギさんの斜頸はエンセファリトゾーンという寄生虫が原因のことが多いです。また、エンセファリトゾーンがうさぎさんの白内障の原因になることもあります。
写真はエンセファリトゾーンによる白内障です。斜頸や白内障の子が食欲低下することも多く、突然死することもあります。ですので、斜頸や白内障は元気に見えても救急サインです。
斜頸や白内障の治療結果は動物病院によって(特に生存率において)大きく異なることがあります。できればウサギさんの治療に精通している動物病院を選んで連れて行ってあげてください。
うさぎ さんの食欲不振 〜便から見る異変
便が異常(軟便や下痢)を起こすと肛門周囲が汚れてきます。
このような切歯(前歯)だと、毛繕いが上手くできなくて、肛門周囲が次の写真のように汚れてきます。
食欲も徐々に落ちることが多いです。太っていてもお尻まで切歯が届かずにキレイにできなくなります。つまり、太っている子も肛門周囲が汚れている事が多いです。ウサギさんが太っている場合も肝臓を悪くして食欲が落ちることも多いです。
ウサギさんの便から、動物病院に連れて行くサインとなるのは、
・便の大小不同(だいしょうふどう。大きさがバラバラ)
・変形した便(正常の形は丸い。いびつな涙形などになる)
・毛でつながった便(数珠のように毛で便が連なっている)
・下痢
・便が極端に少ない(一日に便の量が10個くらいしかしていない)
特に便が少ないときは準緊急状態です。早めに動物病院に連れて行ってあげてください。
尖った奥歯が痛くて、食欲不振になることも
うさぎさんが涎(よだれ)をたらしているときは、臼歯(きゅうし。奥歯)がとがっていて、舌やほっぺたに当たって痛いときのことが多いです。
食事のたびに痛むやっかいな虫歯のような状態です。
腫瘍やガンが原因のことも
ウサギさんには腫瘍や癌ができることは、他の動物にくらべて多くはないのですが、できることはあります。そのしこりがウサギさんの食欲を落とす原因のこともあります。
しこりは外見から分かりやすいので、お家でもチェックしやすいと思います。
うさぎさんは我慢強く、気づくことが難しい
以上、今回はうさぎさんが食べないときに、動物病院に連れて行くサインについて解説しました。
うさぎさんは、とっても我慢強く、状態が悪いことに気づくことが難しいです。それでも少しでもウサギさんの辛さのサインがわかる手助けになればと思い、記事をまとめてみました。
つらいことを我慢しているうさぎさんが少しでも減りますように。
キキ動物病院
072-276-3555
大阪府堺市中区深井北町117-3