カエル(ベルツノガエル、ソバージュネコメガエルなど)の代謝性骨疾患(MBD、歩き方がおかしい)【大阪府堺市の動物病院】
代謝性骨疾患はイグアナやカメなどの爬虫類に好発する疾患として有名ですが、両生類も罹患します。
初期の症状としては
ぎこちない歩様、脱力などの症状を示し、
進行すれば
虚脱したり後躯不全麻痺や全身麻痺を引き起こすこともある。
重症例では血清カルシウム値の異常による痙攣発作をおこします。
MBDは幼若な個体に不適切な食餌、特にカルシウム/リン比の偏った食餌もしくは低カルシウムの食餌などを与え続けていると発症しやすい。
この症例は歩き方がおかしく、食欲がないとのことで来院。
左後肢が変形していることがわかる。
検査の結果、右前肢・左後肢・右後肢の変形、脊椎骨の骨密度の低下、骨盤の変形が見られた。(MBDとは関係ありませんが、この症例では偶然誤嚥性肺炎が検査で発見されました)
また、血液検査の結果、カルシウムが非常に高く、痙攣発作をおこしてもおかしくないことがわかりました。
MBDは治療開始が遅くなれば治療反応が鈍くなることがあります。
また、通常MBDによって変形した骨は元に戻りません(軽度の変形なら治療によって回復することもある)。
カエルの歩き方がおかしければ早めに動物病院に連れて行くようにした方がいいでしょう。
キキ動物病院
大阪府堺市中区深井北町117-3
072-276-3555