うさぎ の てんかん発作 と エンセファリトゾーン 症~痙攣、震える、など【大阪府 堺市 の 動物病院】
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うさぎ専門治療の病院による、てんかん発作(痙攣など)についての解説です
こんにちは。大阪府堺市のキキ動物病院です。
今回はうさぎさんの てんかん 発作(痙攣、震える、など) と
エンセファリトゾーン の関連についてです。
うさぎさんの癲癇(てんかん)発作はまれですがおこります。急に震えだしたり、しばらく意識がなくなったりします。
そして、しばらくすれば(通常5分以内)てんかん 発作 が起こる前の状態に戻ります。
ただ、うさぎさんの てんかん 発作 は原因の解明が難しく、可能性のある原因に対して治療してみるという、診断的治療や対処療法が一般的におこなわれます。
それでは、可能性のある原因としてどのようなものがあるのでしょうか。
うさぎ さんの てんかん発作(痙攣、震える、など) の原因
- ウイルス感染
- 寄生虫感染(特に エンセファリトゾーン 感染)
- 中枢神経系の問題(脳神経や脳血管など)
- 臓器異常(特に腎不全)
- 全身性の問題(特に急性胃拡張の鋭い痛み、重度の肝リピドーシスでの肝性脳症、先天性心疾患)
- 薬剤(特に高容量の抗生剤)
- 中毒(特に殺虫剤)
上記にあげた原因(鑑別診断といいます)はどれも現状の医学では診断が難しく、まれな問題なので世界中でデータがあまりない状況です。
(どのような場合に疑わしくて、どのように治療すればうまくいくという
ようなデータがほとんどないのが現状です。)
この中で、うさぎさんが生きている限りは、考えなくてはいけないのは エンセファリトゾーン 感染 です。
特に、うさぎさんに発症しやすい エンセファリトゾーン 症
うさぎさんの エンセファリトゾーン 症 の病原体である、Encephalitozoon cuniculi はいろんな動物に感染します。
マウス、ラット、ハムスター、モルモット、犬、キツネ、猫、猿、牛、羊、豚、そしてヒトなど、いろんな哺乳動物に感染します。
エンセファリトゾーン が感染した場合、多くは症状がでませんが、体力や免疫力が落ちている場合にはまれに症状がでることがあります。
いろんな病原体にいえるのですが、特に病原性を発揮しやすい動物種があります。エンセファリトゾーン にとってはうさぎさんが病原性を発揮しやすい動物種となります。
エンセファリトゾーン はうさぎさんに感染した場合、症状がでないことも多く、それでいて突然発作や突然死をおこすことがあります。
つまり、一見元気でなんの問題もなさそうなうさぎさんであっても、エンセファリトゾーン に感染している可能性があるのです。
エンセファリトゾーン は脳神経のどこに潜んでいるかわかりません。
そして、エンセファリトゾーン が、これからどの脳神経を破壊するのかもわかりません。
結果として、その破壊された脳神経に応じた症状がでることになります。
そして、うさぎさんの エンセファリトゾーン 症は、生前に100%うさぎさんに感染していることを断定することが非常に難しいのです。
死後に病理解剖したうえで、うさぎさんの体内に エンセファリトゾーン が発見されれば確定となりますが、生前では抗体価などの間接的な証拠を集めることしかできないのです。
(ただし、いろんなデータから、エンセファリトゾーン を強く疑うことはできます)
なので、うさぎさんのてんかん発作を見た時にも、エンセファリトゾーン を疑診(確定ではないが、あると仮定すること)して治療計画を立てることは重要になります。
また、エンセファリトゾーン の厄介なところは、現状完全にうさぎさんの体から駆虫する薬は開発されておらず、駆虫薬を飲ませ続けなければならないのです。
症状が落ち着いているからと言って、薬を中断して突然死したといううさぎさんをたくさんみてきました。
逆に薬を飲ませると症状が落ち着き、明らかに突然死や発作の発生率が落ちます。
(完全に0になるといえればいいのですが、正直、薬だけでは難しいのが現状です)
まとめ
うさぎさんのてんかん(様)発作はまれですが、背後に潜む エンセファリトゾーン のことも考えれば、緊急状態です。
できるだけ早めに、うさぎさんの治療に精通している動物病院に、つれていってあげてください。
キキ動物病院
072‐276‐3555
大阪府堺市中区深井北町117‐3