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うさぎの軟便 や 下痢 はどんな病気のサイン?【大阪堺うさぎの病院

 

うさぎの軟便 や 下痢 はどんな病気のサイン?【大阪堺うさぎの病院】

Contents

うさぎ専門治療の病院による、軟便や下痢についての解説です

こんにちは。大阪府堺市のうさぎ病院、キキ動物病院です。

うさぎさんはお腹の不調を起こすことが多く、軟便や下痢を引き起こすことがあります。うさぎさんは普段はコロコロの掃除しやすい便をしますが、軟便や下痢になると床やうさぎさん自身についてしまって、掃除が大変になります。

なぜ軟便や下痢が起こるのでしょうか。今回はうさぎさんが軟便や下痢を起こす理由を8つに分類して解説します。

 

 

うさぎの軟便 や 下痢 とまちがえやすい「盲腸便」

最初に、飼い主さんに誤解されることが多い盲腸便の解説をします。本当の下痢と区別して考えた方がいいのは、食べ残されたり異常に柔らかい盲腸便がお尻(会陰)のまわりにへばりついてしまった状態です。

もし下痢なら、通常の固形便(硬便)を排泄しているところはあまりみられません。本当の下痢ではなく、盲腸便が会陰周りにへばりついている状態なのだとしたら、通常の硬便も通常通り排泄しています。本当の下痢をしているウサギさんは一般的に全身状態が悪く、脱水や腹部の痛みを感じています。

 

盲腸便が食べ残されたり異常に柔らかくなる原因5パターン

本当の下痢と誤解されることが多い『盲腸便が食べ残されたり異常に柔らかくなる』原因はいろいろあります。その例の5パターンを以下にあげます。

① 脊椎骨折や脊椎炎など
② 肥満
③ 高蛋白質の食餌
④ 餌の与えすぎ
⑤ 生活スペースが狭い

① 脊椎骨折や脊椎炎など

脊椎骨の痛み、もしくは動きに制限があり、うさぎさんが体を曲げて肛門に口を近づけて盲腸便を食べることができない場合です。この場合は、身体能力が戻らなければ残念ながら一生介護が必要となることが多いです。

② 肥満

物理的にうさぎさんの口が肛門に届かないため、盲腸便を食べることができない場合です。この場合はもちろん、ダイエットが成功すればきれいなお尻は取り戻せます。諦めずにがんばって!

③ 高蛋白質の食餌

盲腸便の嗜好性に影響することがあります。盲腸便が好みの味ではなくなるため、盲腸便を摂取しなくなります。高タンパクのおやつが原因となっていることが多いので、思い当たるおやつがあれば、まずは控えてみてください。少しずつきれいなお尻となってくると思います。

④ 餌の与えすぎ

カロリー過剰によって盲腸便の摂取の必要性がなくなるため、盲腸便を摂取しなくなります。ご飯の量を調節してあげてください。特にペレット、おやつの量に気を付けてください。

⑤ 生活スペースが狭い

排泄した盲腸便を踏んでしまって、お尻周りについてしまうことが多くなります。また、運動不足も引き起こし、肥満につながるので、盲腸便を食べ残すことになります。生活スペースを広くして、一日数回お部屋から出して遊んであげてください。

 

うさぎ さんの軟便や下痢を起こす理由7パターン

うさぎさんが本当の軟便や下痢を起こす理由は大きく7つあります。

① 不正咬合
② うっ滞(毛球症含む)
③ クロストリジウム性腸炎
④ 直腸腫瘍
⑤ 環境ストレス
⑥ 精神的ストレス
⑦ 子ウサギの下痢

① 不正咬合

うさぎさんが病気で下痢や軟便をしているときに、一番多いパターンが不正咬合です。うさぎさんの歯(特に臼歯)が伸びすぎていて、ほっぺたや舌に当たっていると痛みなどの不快感が腸蠕動に悪影響を与えて下痢や軟便が起こります。
(蠕動:胃腸管に入った食べ物をお尻の方に推し進める消化管運動)

うさぎさんの不正咬合の症状としては、食欲不振、削痩(さくそう。痩せている)、歯ぎしり、よだれが多い、下顎脱毛、流涙、眼脂(目やに)、眼球突出、くしゃみ、鼻汁、顎周囲膿瘍、などがあります。

② うっ滞(毛球症含む)

うさぎさんは、消化管うっ滞(消化管運動機能低下)による腹部不快感によっても下痢をします。

うさぎさんはどのような原因であっても、食欲不振が24時間以上続けば、うっ滞や毛球症を引き起こします。換毛期や低繊維食の多給などは、うっ滞を引き起こしやすくします。

うさぎさんのうっ滞の症状は、食欲不振、軟便、下痢、異常便、糞便量減少、元気消失、歯ぎしり、呼吸促拍、などです。

以前のブログ『うさぎ のうっ滞(歯ぎしり、毛球症、食欲不振など)』に、うさぎさんのうっ滞についての記事がありますので、そちらも参考にしてください。

うさぎ のうっ滞(歯ぎしり、毛球症、食欲不振など)【大阪堺のうさぎ病院】

③ クロストリジウム性腸炎

意外と多いのが、うさぎさんのクロストリジウム性腸炎です。

うさぎさんは高炭水化物の食べ物は消化に時間がかかり、体内で大量のクロストリジウムが発生してしまいます。この大量に発生したクロストリジウムによって腸内に毒素がばらまかれてしまい、腹痛などの不快感が発生します。その不快感が腸蠕動に悪影響を与えます。

うさぎさんにおやつをあげてはダメな主な理由が、このクロストリジウム性腸炎が発生するからです。

よくある原因は3つ。
1.低繊維質・高炭水化物食の多給
2.不衛生な飼育環境
3.うさぎに使用すべきでない抗生剤

症状としては主に下痢、軟便です。他の症状として、食欲不振、元気消失、歯ぎしり、などがあります。

 

④ 直腸腫瘍

軟便や下痢、排便障害によってお尻周り(肛門や陰部周辺)の湿性皮膚炎を併発します。頻尿や尿漏れなどの排尿障害を伴うこともあります。

 

⑤ 環境ストレス

うさぎさんは環境ストレスの影響を受けやすく、腸蠕動に悪影響をあたえて軟便や下痢を引き起こします。

軟便や下痢を引き起こす環境ストレスの例としては

・急激な環境変化(引っ越しなど)
・急激な温度変化(エアコンの故障など)
・蜜飼い(多頭飼育)
・移動(輸送)のストレス
・過剰な水分摂取

などがあります。

 

⑥ 精神的ストレス

うさぎさんは精神ストレスによっても腸蠕動が悪影響を受けやすいです。近所で大きな音が聞こえる環境は特に影響を受けやすいので注意が必要です。

音量が大きな音は、人間が耳から聞き取りやすいのですが、地面を伝わってくる地響きのような重低音は、人間の耳には聞こえにくいですが、うさぎさんははっきりと聞き取って怖がることも多いです。
(例えば近所で大規模な工事をしている、など)

ときおり電子レンジや冷蔵庫の音を怖がって、下痢を引き起こすうさぎさんもいます。人間には聞こえない音までうさぎさんは聞き取っているのかもしれません。

⑦ 子うさぎの下痢

抵抗力や消化能力が十分でない子うさぎは腸炎を発症しやすく、母乳に含まれるミルクオイルが消失する離乳期には、重篤な下痢を起こして急死してしまうことも多いです。同様に抵抗力が弱まる妊娠中のうさぎさんも下痢をおこしやすいです。

子うさぎの消化管内寄生虫でも重篤な下痢を引き起こします。5か月齢以下での発症が多く、4か月齢以下では急死することも多いです。特にコクシジウムは重篤な症状を引き起こしやすいです。

蟯虫感染で下痢や食欲不振につながることは、意外かもしれませんが多くはありません。

子うさぎの下痢では複合感染を起こしていることが多く、治療を難しくしています。子うさぎの下痢でみられる感染症を以下にあげます。

・コクシジウム症
・大腸菌症
・サルモネラ症
・ティザー病
・クロストリジウム性腸炎
・ロタウイルス性腸炎
・コロナウイルス性腸炎

子うさぎの下痢を誘発・重症化する要因として

・6週齢以下のうさぎを強制離乳
・不適切な食餌内容による腸内細菌叢のかく乱

があります。

特に注意が必要なのは、子うさぎをお母さんうさぎから6週齢以下で引き離してしまい、母乳が飲めなくなることで免疫力が一気に低下する場合です。母乳は6週齢までは継続して飲ませてあげることによって子うさぎの下痢は激減します。

 

うさぎの軟便 下痢 大阪府堺市うさぎ病院 キキ動物病院 獣医師

以上、うさぎさんの軟便や下痢についてでした。

うさぎさんの軟便や下痢はいろいろな原因でなりますが、病院につれていってあげる時間がとれないときは、まずは食べ物とストレス(環境・精神)の改善ができないかどうか探ってみてください。

ちょっとした軟便や下痢であれば、それだけでも改善することも多いので、今回の内容を参考にして改善してみてください。

キキ動物病院
072-276-3555
大阪府堺市中区深井北町117‐3

大阪堺うさぎの病院、キキ動物病院による、うさぎの治療実績レポート、病気の解説記事はこちら。

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