目の病気 うさぎの目やにはどんな病気で起きる?【うさぎの病院

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目の病気 うさぎ専門 治療はキキ動物病院へ

うさぎの専門家による、目の病気についてのまとめ記事です

目の病気 うさぎの目やに 大阪堺のうさぎ病院 キキ動物病院

こんにちは。大阪府堺市のうさぎ病院、キキ動物病院です。

うさぎさんの目やには日常生活でよく出会うと思いますが、目やにが頻繁にでていると、体質だからと無視していいものか、悩むことがあると思います。

もし病気で目やにが出ているのだとしたら、病院に連れて行ってあげたいけど、病気ではないと、うさぎさんにストレスを与えるのも嫌だなあ…と思っているうちに、目やにが治まっているということも多いと思います。

なぜ目やにがでるのでしょうか。どんな目の病気で目やには出るのでしょうか。今回はこんな疑問に答えるために『うさぎさんの目やにがでる目の病気』についてまとめてみました。

 

 

 

うさぎさんの目やにがでる目の病気11パターン

① 鼻涙管狭窄、鼻涙管閉塞、涙嚢炎
② 不正咬合
③ 結膜炎
④ 角膜炎、角膜潰瘍
⑤ 眼窩膿瘍
⑥ 緑内障
⑦ トレポネーマ症(ウサギ梅毒)
⑧ 眼球癆
⑨ 結膜過長症(角膜閉鎖症、角膜閉塞症、偽翼状片)
⑩ 瞬膜腺過形成(チェリーアイ、第三眼瞼腺脱出)
⑪ 眼窩腫瘍

 

① 鼻涙管狭窄、鼻涙管閉塞、涙嚢炎

症状としては流涙、眼脂(目やに)、内眼角皮膚炎がみられます。

鼻涙管狭窄の原因は先天性のものと後天性のものがあります。

先天性

短頭種のうさぎ(ネザーランド・ドワーフ種やロップ種など)は頭蓋骨が変形しています。そのため鼻涙管も先天的に狭窄していることがあります。

後天性

後天性の鼻涙管閉塞は結膜炎に伴う眼脂(目やに)や鼻炎に伴う鼻汁が閉塞栓となることが多いです。



涙嚢炎や鼻涙蓄膿によって鼻涙管狭窄は起こってきます。鼻涙管には結膜炎や角膜炎や鼻炎が波及しやすいです。

また、鼻涙管の炎症によって鼻涙管が瘢痕収縮をおこして閉塞することもあります。鼻涙管周囲の骨の石灰化や根尖周囲膿瘍の波及によっても鼻涙管は狭窄します。鼻涙管は涙嚢に近い部分と上顎切歯の根尖付近の2か所はもともと細いです。そのため、特に不正咬合・歯科疾患によって鼻涙管狭窄を起こしやすいです。

ここまでの解説で理解できると思いますが、不正咬合を無治療で放置していると鼻涙管が狭窄してくることがあります。鼻涙管狭窄に進行する前に不正咬合の治療をすることは重要です。

 

② 不正咬合

うさぎさんの不正咬合の症状としては、食欲不振、削痩(痩せている)、歯ぎしり、よだれ、下顎脱毛、流涙、眼脂(目やに)、眼球突出、くしゃみ、鼻汁、顎周囲膿瘍などがみられます。

不正咬合で、目やにがみられるうさぎさんは非常に多いです。初期には不正咬合の治療をすることで目やにが解消することが多いです。

前述しましたが、不正咬合を無治療で放置していると鼻涙管狭窄に進行してしまうことがあります。この場合は不正咬合の治療をしても鼻涙管狭窄は解消しないことがあります。

以前のブログ『うさぎ の歯科疾患(食べない)と プラセンタ 療法』(動画)に、うさぎさんの不正咬合についての記事がありますので、そちらも参考にしてください。

うさぎ の歯科疾患(食べない)と プラセンタ 療法【大阪府堺市の動物病院】

 

③ 結膜炎

うさぎさんの結膜炎の症状としては、結膜充血、結膜浮腫、流涙、眼脂(目やに)、眼瞼痙攣などをひきおこします。Pasteurella multocida , Staphylococcus aureus , Hemophilus spp. などの感染によって生じることが多いです。

原因として、環境要因、外傷、異物、鼻炎、副鼻腔炎、不正咬合、アレルギー、角膜炎、鼻涙管狭窄、涙嚢炎、眼瞼炎、ぶどう膜炎などがあります。

環境要因の例として、換気が悪く、尿を多く含んだ床材(ゆかざい)が使われている環境があります。このような状況だと空気中のアンモニア濃度は上昇し、アンモニアがうさぎさんの結膜を刺激して結膜炎になります。牧草の種子や粉塵による刺激も結膜炎を引き起こします。

結膜炎単独でおこることはあまりなく、多くは他の病気も合併しているため、精査が必要なことも多いです。目の病気の中では涙嚢炎や眼瞼炎と併発することが多いです。

炎症が進行して重篤になると膿瘍化します。膿瘍化すると治療が難しくなることも多いです。膿瘍化するまえに治療することは非常に重要です。

 

④ 角膜炎、角膜潰瘍

角膜炎や角膜潰瘍はうさぎさんに非常に多いです。症状としては流涙、眼脂(目やに)、眼瞼痙攣、角膜透過性低下(目が白く濁る)などがあります。重症化してくると結膜炎を併発するようになります。

原因として

・外傷
・目の周りをこする(自傷行為)
・前庭疾患(エンセファリトゾーン症など)でのローリング
・神経疾患での顔面神経麻痺

などがあります。

原因として外傷が多いと思われていますが、角膜潰瘍の約3分の1の症例で両目に発生しているので、遺伝や栄養に関する異常が関係している可能性もあります。

角膜潰瘍はケージ内の牧草が目を擦る(こする)、といった物理的な刺激によって発生することが多いです。特に活動的なうさぎさんや雄♂は物理的に目をぶつけやすいので好発します。

イングリッシュ・ロップ種では、長い耳介が角膜に触れて角膜潰瘍が生じることがあります。レッキス種では睫毛(しょうもう。まつげ)が特異的にカールしているので、睫毛が角膜を刺激して炎症や潰瘍を引き起こすことが多いです。

また、眼窩のできもの(眼窩膿瘍・眼窩腫瘍)が大きくなってくると眼球を圧迫して突出してきます。そうすると角膜が涙液で十分に覆われなくなって角膜潰瘍を併発します(露出性角膜症)。角膜炎は主に細菌感染によって生じます。角膜潰瘍がおこると潰瘍部に感染がおこりやすくなるので、角膜炎はおこりやすくなります。

 

⑤ 眼窩膿瘍

うさぎさんの眼窩膿瘍の症状としては、眼球突出、流涙、眼脂(目やに)、重度で食欲不振や元気消失などがあります。

原因はほとんどが不正咬合です。不正咬合を無治療で放置していると、たとえ食欲があっても眼窩膿瘍の原因になります。不正咬合から発生した根尖周囲膿瘍が進行して眼窩の蓄膿量が多くなると、眼球を圧迫して突出してきます。そうすると角膜が涙液で十分に覆われなくなって角膜潰瘍を併発します(露出性角膜症)。ここまで進行すると眼球摘出手術が応急処置的に必要となることが多いです。

ここでも重要なことは、たとえ元気食欲があったとしても、動物病院で定期的に不正咬合のチェックをしてもらうことです。定期的に歯のチェックをしてもらっているうさぎさんには眼窩膿瘍はほとんどおこりません。歯のチェックを定期的にしてもらうことでほぼ100%防げるのが眼窩膿瘍です。

うさぎさんの膿瘍に関しては以前のブログ、『うさぎの膿瘍とプラセンタ療法とオゾン療法と漢方薬』(動画)でも解説しているので、参考にしてください。

うさぎ の 膿瘍 と プラセンタ 療法と オゾン療法 と 漢方薬 【大阪府堺市の うさぎ の 病院】

 

⑥ 緑内障

うさぎさんの緑内障の症状としては、散瞳、縮瞳、充血(強膜・結膜)、眼圧上昇(30 mmHg 以上)、眼瞼痙攣、流涙 などがあります。通常では緑内障は縮瞳ではなく、散瞳しますが、虹彩癒着の結果おこる緑内障は縮瞳することもあります。

緑内障の発生要因としては

・エンセファリトゾーン症
・ぶどう膜炎

があります。

エンセファリトゾーンが目に侵入して虹彩癒着を引き起こします。その結果眼圧があがり緑内障を発症します。

エンセファリトゾーン症については、以前のブログ『斜頸 !突然死もおこりうる危険性を解説』(動画)にも解説してあるので、参考にしてください。

斜頸 !突然死もおこりうる危険性を解説【大阪府堺市うさぎ病院】

ぶどう膜炎も虹彩癒着を引き起こして緑内障を続発します。うさぎさんではぶどう膜炎は、外傷や角膜穿孔などから続発するものよりも、エンセファリトゾーンによる水晶体破砕性ぶどう膜炎が多発します。

ニュージーランド・ホワイト種は、遺伝性緑内障があるとのデータもあります。緑内障は進行すると、眼球摘出術が応急処置的に必要となることがほとんどです。

 

⑦ トレポネーマ症(ウサギ梅毒)

ウサギ梅毒は生殖器スピロヘータ、トレポネーマ症とも呼ばれます。Treponema paraluis-cuniculi の感染によって発症します。

ウサギ梅毒の症状としては、紅斑・腫脹・痂疲(鼻孔、口唇、眼瞼、陰部、肛門周辺)、鼻汁、くしゃみ、流涙、眼脂(目やに)、排尿障害 などがあります。雌♀のうさぎさんでは子宮内膜炎を引き起こし、流産や不妊の原因になることもあります。

また、ウサギ梅毒は感染しても発症しないことも多いです。発症要因としては不適切な飼育環境やストレスによる免疫抑制があります。

以前のブログ『くしゃみ やスナッフルは歯の不正咬合が原因?』(動画)にも
ウサギ梅毒のことを解説しているので、参考にしてください。

くしゃみ やスナッフルは歯の不正咬合が原因?【大阪 堺 の うさぎ 病院】

 

⑧ 眼球癆(がんきゅうろう)

うさぎさんの眼球癆の症状として、眼球萎縮、眼脂(目やに)、眼瞼痙攣、角膜混濁(目が白い)などがあります。眼瞼内反、乾性角結膜炎(KCS、ドライアイ)、疼痛を伴うこともあります。重度のぶどう膜炎が鎮静化(安定化)した状態です。

発症の原因は

・重度外傷
・全眼球炎
・慢性緑内障

などがあります。

 

⑨ 結膜過長症(角膜閉鎖症、角膜閉塞症、偽翼状片)

結膜過長症(角膜閉鎖症、角膜閉塞症、偽翼状片)はうさぎさんに特異的にみられる病気です。結膜が角膜上を覆う病気です。過形成を起こした結膜によってうさぎさんの視野は狭くなります。

症状としては、角膜中央に向け伸展する結膜、流涙、眼脂(目やに)などがあります。人や猫の翼状片と違って過長した結膜は角膜上皮に癒着しないので、偽翼状片とも呼ばれています。

原因は

・パピローマウイルス感染

ともいわれていますが、はっきりとわかっていません。

 

⑩ 瞬膜腺過形成(チェリーアイ、第三眼瞼腺脱出)

症状としては、瞬膜腺腫大、流涙があります。通常ではチェリーアイでは眼脂(目やに)はみられませんが、歯科疾患を併発して感染をおこして進行すると眼脂が見られるようになります。

発症要因としてテストステロンやサイロキシンの関係していることが疑われています。実際に未去勢雄♂のうさぎさんによく発症します。

基本的には犬のチェリーアイへの外科対応、内科対応と同じ手技で治療します。さらに去勢手術も実施して再発を防ぎます。

 

⑪ 眼窩腫瘍

症状としては、眼球突出、流涙、眼脂(目やに)などがあります。眼窩の腫瘍が大きくなってくると、眼球を圧迫して突出してきます。そうすると角膜が涙液で十分に覆われなくなって角膜潰瘍を併発します(露出性角膜症) 。

眼窩腫瘍の中ではリンパ腫が最もよくみられます。

抗がん漢方、医療用CBDオイル、医療用プロポリス、オゾン療法、血液バイオフォトセラピーなどの統合医療は、うさぎさんの腫瘍に対して効果がある可能性があります。西洋医療と併用すると西洋医療の副作用を防いで、相乗効果を発揮することも多いです。

 

目の病気 まとめ:目やにを発見したらすること

今回のまとめです。うさぎさんの目やにを発見した場合は

・うさぎさんの生活環境を掃除する
・床材として使用している牧草を取り換える
・動物病院で不正咬合がないか奥歯のチェックをしてもらう

ということで多くの場合に対応が可能です。

目の病気 うさぎの病院獣医師

今回もでてきましたが、不正咬合、エンセファリトゾーン、ウサギ梅毒はうさぎさんと健全に生活する上で非常に重要です。飼い主さんもある程度知っておいた方が、うさぎさんとよりよく生活できるので、このブログなどを参考にしてみてくださいね。

全国のうさぎさんが、よりよく生きるお手伝いができれば、こんなにうれしいことはありません。うさぎさんと飼い主さんとの絆ができるだけ長く健全でありますように。

キキ動物病院
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電話番号:072-276-3555
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