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頭を左右に振る ふらつく 揺れる うさぎはどんな病気?~エンセファリトゾーン症・耳ダニ・外耳炎【うさぎ病院】

 

頭を左右に振る ふらつく 揺れる うさぎはどんな病気?~エンセファリトゾーン症・耳ダニ・外耳炎【うさぎ病院】

Contents

うさぎ 専門治療の病院による、頭を左右に振る ふらつく  揺れる 症状についての解説

こんにちは。
大阪府堺市・うさぎの専門治療と統合医療のキキ動物病院です。

うさぎさんを飼うと、意外と活動的でびっくりする人も多いです。もっとおとなしい動物だと思っていると、体全体を使っていろんな動きをします。

そんなダイナミックな動きの中で頭を左右に振ることも多いですが、病気かどうか疑うことはないでしょうか。

うさぎさんが頭を左右に振るとき や ふらつく 揺れる ときは、実は治療が遅れると突然死を引き起こす病気がかくれていることがあります。

今回の記事を読むと、うさぎさんが頭を左右に振るとき や ふらつく 揺れる ときはどんなことが考えられるのかがわかります。

 

頭を左右に振る ふらつく 揺れる 状態について、よくみられる4パターン

① 興奮している
② ウサギ耳ダニ(ウサギ耳疥癬)
③ 細菌性外耳炎
④ 中枢神経症状(特にエンセファリトゾーン症)

 

① 興奮している

うさぎさんは興奮して、頭を左右に振りながら走りまわることがあります。

じっとしていたのに、急に頭を振りながら走り出すこともあります。

びっくりして心配になることもあるかもしれませんが、こんなときは心配いりません。うれしい、たのしい、最高潮といったところです。ひゃっほーい!という気分でしょうか。

あまり動物病院でみることのできない姿です・・・。そんな姿を飼い主さんの前で見せてくれるというのは、それだけ心を許してくれていると思っていいです。その絆は素晴らしいですよね。

 

② ウサギ耳ダニ(ウサギ耳疥癬)

ウサギキュウセンヒゼンダニ(Psoroptes cuniculi)は主に、耳道に寄生して
外耳炎を引き起こします。ウサギ耳ダニともウサギ耳疥癬とも呼ばれます。

ウサギ耳ダニの主な症状は耳の掻痒(そうよう。かゆみ)です。初期にはあまり気にしていませんが、次第に症状が激しくなります。

頭を左右に振ったり、耳介を激しく振ったりします。また、後ろ足で耳介をひっかいて描き傷をつくります。そうしているうちに耳道や耳介内側は充血して、滲出液がみられるようになります。

そのあと、滲出液が乾いて、赤茶褐色をしたフレーク状の痂疲が、耳介内側に大量に付着します。

耳だけに症状が限定されていることが多いですが、ときには毛繕いによって症状が拡大します。そうすると耳から外陰部、顔面、頸部、四肢などに病変部が広がり、皮膚炎が起きます。

耳疥癬(耳ダニ)と疥癬が同時感染することもあるので、治療にあたる獣医師は注意してください。
(このブログは獣医師も読んでいるので、獣医師向けのメッセージです。)

特徴として、ペットショップや多頭飼育環境から、家にお迎えしたあと1年以内の発症が多いです。

耳ダニの治療には、駆虫をすれば耳掃除や外耳道洗浄はしなくてもきれいに治ってしまうことが多いです。逆に、耳ダニの治療中に耳掃除や外耳道洗浄をすると、手荒くすると外耳道に傷がつき、治療が遅れてしまうこともあるので注意してください。

 

③ 細菌性外耳炎

うさぎさんはもともと、細菌性外耳炎が生じやすい耳の構造をもっています。
(うさぎさんの真菌性外耳炎は非常にまれです)

うさぎさんの細菌性外耳炎の症状として

・白色でクリーム色の耳垢
・耳介を掻く
・耳道に足を入れる
・頭を左右に振る

などがあります。

発症要因として、

・ロップイヤー種
・姿勢異常(前庭疾患、エンセファリトゾーン症、脊椎疾患、開帳肢、股関節脱臼、膝蓋骨脱臼、骨癒合不全など)

これらの要因があると、細菌性外耳炎に罹患しやすくなります。

治療にあたる獣医師は、犬猫用のステロイドが含まれている外用薬を使用すると、悪化することが多いので注意してください。

無治療で放置すると、慢性的な耳道の炎症によって、耳道狭窄をおこすことがあります。いったん耳道狭窄が生じると、外科手術が必要になることがあります。

耳血腫を併発して、外科手術が必要となることもあります。また、鼓膜が破れると中耳炎に進行します。(鼓膜は破れていなくても中耳炎まで進行することもあります)そこまで進行する前に治療することが重要です。

うさぎさんの細菌性外耳炎を無治療で放置していると、しばしば症状を示さなくなることがあります。

外耳炎の症状を示さなくなったからといっても、治っているとは限らないことに注意してください。症状に出してくれなくなっただけで、少しずつ悪化していることも多いです。

 

④ 中枢神経症状(特にエンセファリトゾーン症)

初期中枢神経症状として、頭を振る もしくは ふらつく 揺れる ことがあります。

これは『赤べこ徴候』と呼ばれることもある症状で、赤べこの人形のように頭部がゆらゆらと揺れます。

横(水平)方向にも縦(垂直)方向にも揺れます。

揺れの幅も大きく揺れることもあれば、小さく揺れることもあります。

揺れているのも一時的で、すぐに正常に戻ることも多いです。

眼振の目の動きに合わせて頭が揺れることもあります。

この赤べこ徴候は、ほかの神経症状の前兆として現れます。一般的に中枢性前庭疾患を疑う症状といわれていますが、痙攣発作やてんかん発作を併発することも多いです。

この赤べこ徴候がみられるときは、特にエンセファリトゾーン症の発症を警戒してください。赤べこ徴候がみられるからといってエンセファリトゾーン症とは限りませんが、実際にエンセファリトゾーン症が疑わしいことも多いです。

エンセファリトゾーン症は、突然死を起こす代表疾患です。一刻も早く治療を開始して、突然死の発生率を下げるように努めてください。

エンセファリトゾーン症による突然死については以前のブログ、
斜頸 !突然死もおこりうる危険性を解説 眼振にも注意~エンセファリトゾーン症』でも解説しているので、参考にしてください。

斜頸 !突然死もおこりうる危険性を解説 眼振にも注意~エンセファリトゾーン症【大阪府堺市うさぎ病院】

 

補足:中耳炎、内耳炎について

中耳炎、内耳炎の簡単な解説です。

中耳炎や内耳炎では平衡感覚異常によって、斜頸、眼振、旋回運動、ローリングなどがおこります。

また、中耳炎による顔面神経障害によって顔の左右不対称がおこります。
(眼瞼、口唇、外鼻孔、耳の麻痺)

この麻痺によって閉眼不全、角膜潰瘍、流涙、眼脂(目やに)が併発します。平衡感覚障害によって食欲不振、元気消失が急性期に認められることも多いです。

 

まとめ(頭を左右に振る ふらつく 揺れる)

今回のまとめです。

うさぎさんが頭を左右に振る もしくは ふらつく 揺れる ときは、まず興奮しているかどうか確認してください

もし興奮していなければ、ウサギ耳ダニ、細菌性外耳炎、中枢神経症状のいずれかの可能性が高いです。

特にエンセファリトゾーンによる突然死を防ぐため、頭を左右に振ったり ふらつく 揺れる のをみたときはうさぎさんを早めに動物病院につれていってあげてくださいね。

 

うさぎの病院
キキ動物病院
072‐276‐3555
大阪府堺市中区深井北町117‐3

うさぎ専門治療のキキ動物病院による、うさぎの治療実績レポート、病気の解説記事はこちら。

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